HOME母校支援在校生の活躍先輩方の協力に感謝・感激です

先輩方の協力に感謝・感激です

在校生の活躍

先輩方の協力に感謝・感激です

平素よりお世話になっております。 商学部 加藤拓巳ゼミの荒畑徹汰です。

7月に実施いたしました、大学グッズに関するアンケートへのご協力をいただき、誠にありがとうございました。合計1,600名以上もの方々からご回答をいただきましたが、アンケートを通じて明治大学に対する卒業生お一人お一人の想いを肌で感じ、改めてこの大学の一員であることを誇らしく思う機会となりました。改めてお礼申し上げます。簡単ながら、アンケート結果に触れながら活動報告をさせていただきたいと思います。

イメージ画像

明治大学といえば

突然ですが“明治大学と言えば”という質問にどのような回答を思い浮かべますか。

明治大学の魅力は多く、様々な答えが予想されますが、140年を超えて紡がれてきた歴史から生まれる圧倒的な大学のブランド力や、ラグビー・野球を代表とする体育会をイメージする方は多いのではないでしょうか。例えば、体育会ラグビー部は、創立100年の歴史を誇り、ラグビー部元監督の北島忠治氏が説いた「前へ」の言葉が、現在の明治大学を象徴する合言葉になっていることから、多くの卒業生の印象に残っていると考えられます。

今回の調査をもとに、大学へのロイヤルティ、さらには明大グッズの購入要因を定量的に評価しました。ブランド、スポーツ、卒業生ネットワーク、教育・研究の要因を網羅的に評価した結果、大学ブランドとスポーツが二本柱として機能していました。実際、この2つに関連した商品は、明大グッズの中でも高い売り上げを誇っています。一方で、本業が教育・研究である大学機関において、教育・研究分野に対する印象をより強くし、三本目の柱として機能することが大きな課題であると私たちは認識しました。

例えば、私たちは環境施策の効果を高める要因を研究しました。その結果,本業と関係の乏しいCSR活動として環境施策を訴求しても効果は限定的である一方で,本業に関係する環境施策を展開することが重要だと明らかになりました1。なぜなら,消費者はあくまで本業を中心に見ているためです。今回のプロジェクトに当てはめると,現状は本業とは他の観点に依存していますが,そこに本業が加われば大きな力になると期待できます。

1 古城美紬・荒畑徹汰・関谷帆華・佐藤美遊・永田ひより・加藤拓巳. (2024). 環境活動における事業との関連性が企業ブランドイメージに与える影響 . 第26回日本感性工学会大会予稿集, 1-4.

現状を打開するための課題解決策

現在、現状を打開するために、以下2つの施策を検討しています。

1つ目は、明治大学の研究と関連させたグッズ、サービスです。明治大学は10学部を擁する総合大学であり、世界的な研究成果を多数有しています。しかし、研究分野は高度に専門的であるため、一般の方々には広く認知されない場合があります。

研究成果の社会への還元と訴求の重要性が訴えられていますが、その課題は弊学でも該当していると考えられます。そこで、研究成果を単なる情報として発信するのではなく、大学グッズや大学施設でのサービスとして発信することが有効だと考えています。消費者は情報よりも経験に価値を感じるためです。

例えば、農学部は設立されてから75年もの間、食料に関する多くの研究が発表されており、それらの成果に基づいた食品を開発することが考えられます。また、私の所属する商学部でも、企業の商品・サービスに関するマーケティングの研究成果が豊富で、その実績に基づいて企業と共同開発した商品を販売することは大きな注目を集めると推察することができます。

2つ目は、ドラマとの連携です。企業のマーケティングコミュニケーションではドラマが頻繁に利用されます。その代表的な形式としてはドラマへの広告出稿やブランド/プロダクトプレースメント(ドラマなどの物語に自社のブランドや商品を登場させる方法)が中心です。

ブランドプレースメントでは、ドラマストーリーの本筋を邪魔しないように、ブランドを巧みに埋め込むことが成功の条件です。しかし、より強力な形式として、ドラマの本筋がブランドストーリーになることがあります。それに該当するドラマが、現在NHKの連続テレビ小説として放映されている「虎に翼」です。

ドラマ主人公のモデルである三淵嘉子氏は、1935年に明治大学に入学し、卒業後に日本女性初となる弁護士、さらには判事(裁判官)となられました。このドラマは、彼女がその過程で様々な苦難に立ち向かう姿を事実に基づいて描いています。

このように「明治大学とその卒業生の学業や研究成果がメインストーリーの根幹を担っているドラマの印象は、大学ロイヤルティに対する教育・研究の効果を強化する」という仮説を立案し、統計的に分析した結果、仮説は支持されました。よって、教育・研究という一般的に理解されにくい要因を訴求するには、このようなメディアの力を活かすことは有効な手段の1つだと考えられます。

おわりに

改めて今回のアンケートへのご協力誠にありがとうございました。

アンケート結果では、20代から80代まで幅広い年代の方々から回答をいただき、各年代の回答数にも大きな偏りが見られませんでした。これは、明治大学が時代を超えて、多くの卒業生の皆様に支えられていることを象徴しています。今回のアンケートを通じて、現状を把握し、仮説を検証することができたのは、皆様のお力添えによる賜物です。これにより、卒業生の皆様やこれからの学生に愛される大学グッズとECサイトをつくるために、私たちがすべきことがより明確になり、具体的な戦略を導出できました。

この経験は、「もうすぐ150周年を迎える明治大学で、これからの150年愛されるグッズをつくりたい」という夢を持つ私にとって、それをかなえる大きな一歩になりました。改めて感謝申し上げます。

今後とも何卒よろしくお願いいたします。

明治大学商学部加藤拓巳ゼミ
荒畑 徹汰