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挫折や迷いも、新たな可能性への第一歩!

卒業生の活躍

挫折や迷いも、新たな可能性への第一歩!

みなさま、こんにちは。2000年に法学部法律学科を卒業した大野知美です。現在、社会保険労務士として働いています。今回は、私の学生時代から、今の仕事に出会って独立するまでを振り返りながら、迷いながら働き続けている方への一助になればと思います。

大学時代は様々なアルバイトを経験

大学3、4年生の時、私は民法ゼミに所属していました。新しくできたゼミで、他のゼミほど伝統があるわけではありませんでしたが、それでも、グループごとの授業の準備やディスカッション、そして、飲み会や合宿など、とにかくノリの良さは他のゼミには負けない雰囲気がありました。そのため、翌年には後輩たちが殺到し、とても人気のあるゼミになった記憶があります。

学生時代はというと、テスト前はそれなりに勉強しましたが、正直なところ、学食で友人と過ごしたり、野球やラグビー観戦をしたりしたことが主な思い出です。勉強熱心な学生とは言えなかったかもしれませんが、1限目の授業があっても遅刻することなく栃木の実家から通い続けたことは、自分の中では大きな自慢といえます。ただ友人に会いたかっただけ、ということもありますが・・・

勉強以外はというと、1年生の時にテニスサークルに入りましたが、1年で辞めてしまい、2年生からはアルバイトに力を入れるようなりました。塾講師や家庭教師、喫茶店での接客、工場での1日単発の作業、イベントスタッフ、信販会社での事務職など、正直すべてを思い出すのが難しいほど様々な仕事を経験しました。

その中でも一番印象深いのは、山中湖でのリゾートアルバイトです。大学生がサークル合宿などで利用するリゾート施設で、約1か月半、年齢が近い仲間と一緒に朝から晩まで働きましたが、大変だった分、とても良い思い出として残っています。

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振り返ると、アルバイトだけでなく、新しい趣味を見つけたり、様々な年代の人と交流したり、ボランティア活動に参加したり、熱中できることを見つけたりと、もっといろいろな経験をしておけば良かったと後悔することもあります。しかし、働いて収入を得ることの厳しさや充実感を社会人になる前に経験できたことは、後に役立ったこともあり、自分自身の財産になっています。

迷走する日々。たどり着いたのは社会保険労務士

現在、私は社会保険労務士として働いています。今は仕事に強い情熱を持ち、日々やりがいを感じながら活動していますが、士業に就く前のキャリアはかなり迷走していました。

新卒の頃は1社から内定をもらうのも大変な就職超氷河期でした。自分の進むべき道がはっきりせず、とりあえず大手企業や、わかりやすい業界、文系出身なので営業職もどうだろうかなど、いろいろ考えながら就職活動をしました。

その結果、4社から内定をもらいましたが、その中から興味を持てそうな印刷会社を選び、法人営業として入社しました。しかし、働く目的が明確ではなかったために、わずか2年で退職。もともと大の犬好きだった私は、「獣医になりたい!」と思い立ち、人生で2回目の大学受験勉強を始めました。学費の問題もあり、国立大学の獣医学部を目指しましたが、もともと文系人間だったので、受験はうまくいかず、残念ながら不合格に終わりました。

25歳の時に、併行して通っていたトリミングスクールでトリマーのライセンスを取得し、動物病院で働き始めたものの、そこでの勤務期間も2年。2年で仕事を辞めることが2回も続いたことで、今後の自分の働き方や仕事について真剣に考えるようになりました。その結果、これまでの経験から大手企業よりも中堅・中小企業で働く方が自分に合っていると感じたのです。

多少忙しくても、自分で業務を決定できる環境で働きたいという想いもあり、あえて中堅のIT企業に入社しました。その会社では12年間働き続けられ、「2年で辞める」というトラウマも乗り越えました。

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社会保険労務士を選んだきっかけは人事部部門への配属

今の仕事を選んだきっかけは、前職のIT企業で人事部門に配属されたことです。人事部門では、主に新卒や中途採用を担当していました。しかし、「もっと人事としての専門性を高めたい」、「もっと幅広い業務に携わりたい」という思いから社会保険労務士試験に挑戦することを決意。そして、仕事と勉強の両立に苦労しながらも、なんとか合格することができました。

最初は、社会保険労務士としての専門性を企業の中で活かす予定でした。しかし、同期の仲間が次々と独立し、活躍している姿を見て、自分もチャレンジしてみたいと思うようになったのです。そして、2017年に独立し、晴れて社会保険労務士事務所を開業しました。

現在は、顧問先企業の人事労務相談や人事制度の構築、就業規則等社内ルールの整備、働き方(働きがい)改革の支援などを行っています。また、企業内研修や団体、大学でのセミナー講師も務めています。

自分の社会人としての経験を振り返り、「働く人一人一人が、より活き活きと、能力を最大限に発揮できる環境で働くことで、会社も個人も成長するはず」という考えを強く持ち、企業がそのような職場環境を実現できるよう支援しています。

様々な働き方を認めたり、スキルアップのための教育研修の実施、上司や同僚との意見交換の機会や新しい事へのチャレンジの機会など、会社からそこで働く従業員の皆さんへ提供できることはたくさんあります。それぞれが能力を活かして働ける職場がひとつでも増えるよう、この思いを常に忘れずに今後も支援していきたいと思います。

後輩の皆さんに伝えたいこと

私の経験から後輩の皆さんへ伝えたいことがあります。仕事は生活の大部分を占める非常に重要なものです。だからこそ、会社を知名度や大きさだけで選んだり、ぼんやりと選んだり、周りの意見に流されて決めたりせず、自分が仕事を通して実現したいことや、自分にとって幸せな生活をじっくり考えた上で、就職や転職活動に取り組んでほしいと思います。そして、周囲からのアドバイスを聞きつつも、最終的には自分の意志で決断することが大切です。

新しい世界へ飛び込むことには不安がつきものですが、「自分なら絶対大丈夫」「楽しんでやろう」という自信やポジティブな考えが、良い結果をもたらしてくれると信じています。

最後になりますが、社会保険労務士という仕事は、企業の経営者や従業員から直接感謝の言葉をいただく機会が多く、非常にやりがいのある仕事です。労働基準法を始めとした労働関係法令や社会保険制度、人材採用や人事制度のトレンドなど、常に新しい知識を学び続ける必要がありますが、その分、楽しく充実感も感じます。

人とコミュニケーションを取ることが好きで、細かい作業も苦にならない人には、社会保険労務士という仕事が向いているかもしれません。ちなみに、私は学生時代には社会保険労務士という言葉さえ知りませんでした。世の中にはニッチな仕事も含めると実に様々な仕事があります。

ぜひ、情報のアンテナを高く広く張って、ご自身の可能性を広げてください。後輩の皆さんのご活躍を心から応援しています。

2000年
法学部法律学科卒
大野 知美

あすそら社会保険労務士事務所
https://asusora-sr.jp/